基本的な製作の工程
染料によって、様々な染め方がございますが、ここでは注染を例にとり、基本的な制作工程の流れを解説いたします。
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清潔だから
手ぬぐいの端が切りっぱなしである理由の一つに、まず衛生面が挙げられます。端が切りっぱなしなので、水はけが圧倒的に良く、驚くほど乾きやすいです。また日本の風土が高温多湿であると言う点から、端を折り返し縫い付けた布ですと水で濡らした際、乾きが遅くなり雑菌の繁殖を助けてしまいます。
現代の日本では、洗濯技術や乾燥技術も遥かに進歩していますので、上記の様な心配はございませんが、手ぬぐいを万人が日常的に使用した江戸時代などでは、ちょっとした事で不衛生な状況が生まれやすかったと言う事を考えますと、この切りっぱなしと言う発想は非常に理にかなっていると言えます。
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緊急時に役に立つから
次の理由ですが、これは先天的な物ではなく、後天的な理由になるとは思いますが、切りっぱなしであった為に、緊急時に役立ったと言う事です。
靴が一般的な履物となった現代の日本では、めったに遭遇する事はない状況ではありますが、遠く江戸や室町時代の頃は、履物と言えば下駄や草履でした。この下駄や草履は、鼻緒と呼ばれる足に掛ける為の紐が取り付けられ、これを支えに履きこなす訳ですが、これが切れる事が度々ございました。
鼻緒が切れてしまうと言う事は当然、下駄や草履には足を固定させる大切な箇所が失われる訳で、即座に鼻緒を修復するか、素足で歩くか、誰かに担いでもらうかしなければなりませんでした。こんな時に役立ったのが、端を切れっぱなしにした手ぬぐいです。
端が切りっぱなしで縫い付けられていないと言う事は、割きやすいと言う利点も派生するので、鼻緒が切れてしまった緊急時には、手拭いを割いて、鼻緒の代わりに使ったそうです。
これは当時の方々の生活の知恵の様な所もあり、手ぬぐいが生まれてから考えられた利用法であるとも言えますが、端が切れっぱなしのままと言うのは、こうしたちょっとした文化やアイデアの積み重ねなのかもしれません。
またこうした利用方法は現在でも緊急時、例えば足を骨折しただとか、捻挫しただとか、腕を火傷した、大きく裂傷しただとかの際に応急処置として、包帯代わりに添え木を添えて巻きつけたり、三角巾の様にして腕を動かさない様に吊るしたりするのに役立っています。
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